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従業員の趣味を充実させたい

by rockwilder0915@gmail.com

「あなたの趣味はなんですか?」と聞かれた時に、いくつの言葉が出てくるだろうか。
しかも、即答が難しい。

辞書で、「趣味」と引いてみれば、 「専門としてではなく、楽しみにすること。」とあった。

楽しみにするだけで、趣味と言っても良いのか。この回答を読んだ今、少しだけワクワクした。

没頭できる趣味がいくつあるかは重要なことだ。現時点で分かっていることは、人は65歳を境に会社に通わなくなり、以降、膨大な時間が残っている。その時に、趣味が無いのは悲しいことだ。

ワイドショーを見て、一生会うこともない人物のスキャンダルに詳しくなるというのは、絶対にあってはならない。

前に友人が、「俺はまだドラゴンクエストシリーズをやらない。あのゲームは絶対に面白いのを知っているから、定年退職するまでやらない。老後の暇つぶしに利用させてもらう。」と、至極まっとうな事を言っていた。

最近、他にも趣味の重要性に気づく事があった。


二人の例を交えてみよう。

まずは、僕の父親だ。会社を経営していたが、今はリタイヤして自由な生活をしている。ただ、仕事に捧げ過ぎた人生は、趣味をゴルフしか与えてくれなかった。現在、とんでもない暇を持て余し、「どうにかなっちまいそうだよ。」と母親に愚痴をこぼしているそうだ。ゴルフだけでは時間を潰せない、もっと趣味を見つければよかったと、ヤキモキしている状態だ。

新しい趣味を見つけるというのは、なかなが手強い。経験ないコトを始めるのはエネルギーがいるのだ。歳をとっているとなおさら難易度が高い。

この時代の人たちは、貯金が好きだ。「なにかあった時のため。」とコツコツ貯めるが、結局、使い切れずに、遺産として一つの愛情を残す。(自分で稼いだお金なのに!)

僕は、共働きだった両親に、「お全て使い切ってね。遺産とか考えないで大丈夫だからね。」と口を酸っぱくして言っている。自分たちのためだけに、お金と時間を自由に使って欲しいと切に願っている。

正直内心では、現役時代もっと仕事以外に時間を費やし、趣味を一つでも多く見つければよかったのに…。と思い。「人は働くために生まれてきたのではない」という偏った考えがさらに強くなる。

幸い、僕に発破をかけられた両親は、頻繁に旅行をするようになった。奮発して豪華客船の旅にも参加していた。友達も少しづつできている。旅先から、「楽しんでるよ、ありがとう。」と得意げにLINEで送られてくる画像や動画は、僕に安堵感を与えてくれる。

二人目は、仲の良い友人の父親だ、僕の尊敬する人物の一人でもある。ここではおじさんと呼ぶ。

おじさんは、トヨタのディーラーで営業を65歳まで勤め上げ、現在人生を謳歌している。それがまた面白い。

もともと器用だったおじさんは定年退職後、「木工」という世界に打ち込むと決めていたそうだ。まずは1つの部屋を木工の工房にした。手始めに額をつくっていた。絵や写真を入れて飾る額だ。

木工は基本的に電動ノコギリで正確に切られた木材を、釘や、ボンドを使って合体させ、カタチをつくっていく。

当然、たくさんの作品を生産していると、作業上の悩み事にぶつかる。ものづくりは、良い道具だ。ミリ単位で台がスライドし、電ノコが正確に、真っ直ぐにカットする作業台。それを買わずに自分で作った。

今度は、電ノコでカットする際に舞う大量のおがくずに悩んだ。そうすると、ホームセンターで売ってるもので、カットと同時におがくずを集塵する装置も作ってしまった。しかも、吸引力の衰えないサイクロン方式だ。

それらは全部、YouTubeで国内外の木工愛好家の動画を、ひたすら見て勉強したと言っているから大したもんだ。

額の次は、家具を作っていた。塗料にも詳しくなった。「色々使った結果、ワトコオイルが最高なんだよ。テクニックがいらずに誰でも綺麗に塗れるのが凄いんだ。オイルはワトコね。覚えておくと良いよ。」と、熱弁している。

中でもおじさんの作品で最高峰とも言えるのが、横150×縦150cmほどある巨大なスピーカーだ。インターネットで図面を発見し、レプリカを作ってしまった。

そのストーリーが面白い。

「営業時代に、よく仕事をサボって通っていたJAZZ BARがあってね、そこにあったアルテックという、今はもうないメーカーのスピーカーが置いてあったんだ。昔アメリカの映画館で使われているような、温もりのある音がウリでね、 Voice of the Theatre シリーズってのがあって、それがまたいい音出すんだよ。当時すごく欲しくてね、でも買えなくてね。だからそのBARに通うしかなかったんだよ。夢みたいなスピーカーだったんだ。」

そう話しながら、自作の Voice of the Theatre のスピーカーで、自作のターンテブルで、チャーリー・パーカーのアナログを聴かせてくれた。音色より素敵な横顔だった。充実している人間の顔だった。



僕は、2人から、趣味は若いうちに量産した方が良いという事と、自分の才能を活用できる趣味を見つけた方が良いという2点を事を学んだ。幸い、僕には老後も楽しめる趣味がある。もちろん、これからも好奇心の赴くまま片っ端から手をつけるつもりだ。

ふと、自分の会社のスタッフの動向と重ねてみた。

サッカー、フットサル、スケボー、ジョギング、陸上、ブーツ採集、キャンプ、音楽鑑賞、サーフィン、競馬、DIY。みんなそれぞれ楽しんでいる。

ただ、彼らの顔を思い浮かべながら思ったのは、定年退職後にも楽しめる趣味を、いまのうちから量産する手助けをしたいと思った。それも、経営の範疇だと思った。

彼らは感動を与えてくれる。勤務態度は真面目だし、責任感も強い、僕が間違えてると思ったら、ちゃんと意見してくれる。そういった友達みたいな関係性は、僕の描いていた理想そのもの。

なんとも嘘臭い言い方だが、彼らと一緒に働くことが、僕のモチベーションなのだ。(おそらく経営者とはそういう生き物だ)
スタッフの中には年上もいるけれど、彼らにとって親のように頼りになる存在を目指すことが、楽しくて仕方がない。つまり僕にとって経営も「趣味」と言える。だからフルコミット出来る。

当たり前の話、従業員は家族がいると、稼いだ金を家庭と子供の養育費に突っ込む。小遣いは多くはない。うちのスタッフも同様、自分のことは後回しにしがちな人が多い。


例えば、真面目にサーフィン始めようと思ったら、ボードや、季節に合わせたウェットスーツでなんだかんだ30万はコストがかかる。当然、躊躇してしまい、すぐ始められない。お金を理由にすぐ諦めるのは、彼らを養うこちらとしては、無視できない。

そこで、今月から全員一律で趣味支援として、1万円の手当を支給することにした。いま一度、自分は何が好きで、何に向いていて、何なら長続きするのか、思考を巡らせるトレーニングだ。

当然、1万円は少ない。分かってる。押し付けにならない額が1万円だった。彼らが何に使おうが勝手だ。もし、没頭できる趣味ができて軌道に乗るスタッフが現れたら、個別に手当てをもっと増やそうと思っている。

これは「あなた自身のライフも充実させてね。」という布石だ。

僕は、新しいコトを始める奴が好きなので、そんな人を身の回りに増やそうと考えている。
彼らが、「とりあえずやってみるか」と、たくさん手を付け、たくさん放棄して自分の才能を開花させるために、少しだけ考えてもらう。



彼らが何か新しいことを始めるところを見てみたい。



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カテゴリー: 未分類 タグ: 働き方
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